コダーイ・ワークショップ名古屋

オンライン講座のご紹介 

皆さまと直接お会いして学び合うことがかなわない今、新たにそれぞれにオンラインによる勉強会や講座を定期的に始めました。

 「〈詩音・わらべうた〉リモート会」  

 伊藤直美「ハンガリーからのオンライン講座」

 小沢浩子 「わらべうたから始める音楽指導法勉強会」


 

 2002年に名古屋で始まったこの会は、「母語のわらべうたから始め、広い音楽の世界を共有できる子どもに育てる」というコダーイの考えに基づいた音楽教育を、日本でどのように実践できるかを皆さまと共に考え話し合う〝共習会″を目指しています。

 

 これまで、音楽教育の土台となる日本のわらべうたを“遊びの伝承性”を基軸にして講師高城敏子が、それに続くわらべうたから始めるソルフェージュ指導法、その先にあるピアノレッスン導入やコダーイ自身の音楽教育概念の紹介などを講師伊藤直美が担当するという形で、多角的な内容を呈示してきました。

 

 しかし、いざ自分で実践しようとすると、いまだ、さまざまな疑問や迷いが生じているのではないでしょうか。

 たとえば、わらべうたの選曲は何を基準にしたらよいのか?そのうたの背景や子どもの思いを考えず、うたに対するイメージもあいまいなまま、安易に遊びを提供していないか?

 また、わらべうたを土台にしてその上にソルフェージュをどのように築くことができるのか?わらべうたからピアノのレッスンへはどのような方法で移行できるのか?コダーイの音楽教育では、なぜ移動ド唱法が取り入れられているのか?・・・などなど。

 

 体験エピソードはもちろん、疑問や迷いも持ちより、目の前に子どもたちを想定しながら模擬実践をし、自ら音楽体験をする・・・そんな会です。

 参加者も講師も一緒にじっくり率直に話し合うことで、ひとつでも解決の糸口が見つかり、一歩ずつ先に進むことができますように。


第1日目、〈わらべうた・遊びの広場〉からはじまりました。合言葉は「わらべうたするもの この指とまれ」。世代の垣根をこえて、子どもから大人まで総勢80名の方々が全国から参加してくださいました。 

<参加者の声(アンケートより)>

今年もどのようなプログラムがあるか楽しみにしてきましたが、それぞれのわらべうたの内容、流れ、進行と心が行き届いており、いつもながら楽しみ、沢山学ばせていただきました。

●会場や参加者の方々の雰囲気がとてもよかったです。また、とても楽しかったです。

みなさんの声がすーっと体に入ってくる感じで心地よかったです。

●すべてにおいて言葉を大事にしているところ。イメージが過度過ぎず、しかしやんわりと想像ができるような布やお手玉などの使い方をしているところ。子どものその時表した姿(表現)を否定しないところが素敵だなと思いました。

●わらべうたのリズムに身体が合っていくことが面白く、精神的にも落ち着きました。各場面のパターンに対して、子どもたちが即興的な応答をすることが印象的でした。

●子どもたち(特に小学生男子)が遊ぶ気満々で目を輝かせて遊んでいました。亥の子で大きな亥の子餅をついているときも、隣の男の子がしっかりうたっていたのに感動しました。

●最初の亥の子餅が最後の亥の子祭りのうたにつながり神事を味わえた点が素晴らしいと思いました。

● ♪ずくぼんじょでお手玉を頭にのせたのが異年齢の子どもたちそれぞれ真剣で見ていて楽しそうでした。

●子どもたちが高城先生の話を真剣に聞いて♪ぴーぴーぐさで一人一人口笛を吹いたり声で表現していたのが感動的でした。

 

 3日目、4日目は伊藤直美先生の講座でした。

<参加者の声>

 夜行バスで名古屋へ。コダーイで有名な伊藤直美先生の講座を受けてきました。今回一番勉強になったのは、子どもにハンドサインやソルミゼーションからドイツ音名を教えるための模擬授業でした。

 どうやって楽譜を読めるようになったのか私は自覚しておらず、読譜ができない日本人を問題に思いながらも、教育方法が分からないまま葛藤していました。今回、1から子どもにG,A,Hを教える実践をグループで考えて、どのような場面でソルミゼーションを使うのか、どんなわらべうたを使うのが効率的かということを学べ、目から鱗でした。

 また、ハンドサインとソルミゼーションと音名のそれぞれの特徴を実践で理解でき、今後自分が指導に生かしていける要素をたくさん発見することができました。

 新しい本も手に入れたので、さらに勉強勉強です。(広島県より参加)